ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】

「ねぇ、教えて?
どうして聖斗は私のこと
好きって言うの躊躇ってたの?

それに、私を幸せにできるのは
自分じゃないなんて思ったわけ?

聖斗の抱えてるモノって、なんなの?」


明らかに、聖斗は困惑してた。


「お願い。
隠し事はしないで…
私、何を聞いても平気だから…」

「美羅…」


苦しそうに唇を噛む聖斗の姿に
不安が募る。


「美羅…話すよ…
でもな、今じゃない。
もう少しだけ待ってくれ…」

「もう少しって…いつ?」

「この家に、誰も居ない時…」

「どういうこと?
伯母さんが買い物に出てる時とかはダメなの?」


私の言葉に
聖斗は下を向き、首を横に振る。


「そんな短い時間じゃダメだ…
長い話しになる。
せめて、半日…」


益々、意味が分からず
私の頭は混乱して
次第に強い口調になっていった。


「じゃあ、いつか決めて!
こんな中途半端なの、イヤだ!」


長い沈黙が続いた…
そして、聖斗が大きく息を吐くと
私の方に顔を上げた。


「すまない…
もう少しだけ…待ってくれ…
今は、美羅とこうしてたい…」


そう言うと
聖斗は息が詰まるほど
強く私を抱きしめる。


こんな辛そうな聖斗を見るのは
私だって苦しい…
でも、そのことを知らなくちゃ
聖斗の本当の彼女になれない気がして…


一人で背負い込まないで
聖斗の苦しみを
私にも分けてよ…


だって、私は聖斗の彼女なんだから…


「長くは待てない…」

「分かってる…」


その瞬間は
刻一刻と、近づいていた…





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