ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】

それから…数日後


今日はバレンタインデー
智可の家で、恵美里と私
3人で手作りしたチョコを聖斗に渡した。


「本命だよ」

「サンキュー」


聖斗の部屋のベットに、2人で寝転び
チョコを美味しそうにほうばる聖斗を見てると
こっちまで幸せな気分になる。


「美味しい?」

「まあまあだな」

「もう!イジワル」


じゃれ合いながら
ベットの上を転げまわる。


聖斗の体が上になり
私は自然に瞼を閉じると
あの、魔法の様なキスが降ってきて
堪らず私は
甘ったるい声を洩らしてしまう…


でも、いつもそこまで…


聖斗は、それ以上を求めてくることはない。


別に欲求不満とかじゃないの
普通の恋人同士なら
肌と肌で触れ合いたい…
そう思うはずだよね。


なのに聖斗は
服の上から胸に触れることもしない。


だから、不安になる…


本当に愛されてるのかなって…


「聖斗…」

「んっ?」

「私は…いいよ」

「何が?」

「その…聖斗に、全部あげてもいい…」


聖斗が体を起こし
冷めた視線を私に落とす。


「女が簡単に
そんなこと言うもんじゃねぇよ」

「誰にでも言ってる訳じゃない!
聖斗だから…
私は聖斗の彼女でしょ?」

「そうだ…
美羅は俺の女だ…
だから、大事にしたいんだよ…」


それが本心なの?
俄かには、信じられなかった。
大事にされるのは嬉しい
でも、何か違う気がした…


「私、魅力ないんだ…」

「美羅、いい加減にしろ!」

「だって、そうじゃない。
抱きたくないんでしょ…」

「そんな訳…ないだろ」

「じゃあ、どうして…」


険悪なムードが漂う中
聖斗の言った言葉が
私の胸を貫いた…




「もう…限界かもな…」

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