ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】

聖斗は私を、ヒョイと持ち上げ
ベットにゆっくり降ろすと
勢い良く覆いかぶさってきた。


私たちの距離は
数日前には想像もできないほど縮まり
何年も離れていたとは思えないくらい自然に
抱き合ってる。


見つめ合う瞳には
私だけが映っていて
その笑顔は私だけのモノ


そして
私はあなただけのモノ…


どちらからともなく
お互いの肌を求め
着ている服を一枚、また一枚と脱がし合い
遮る物の無くなった
熱く火照った肌に
纏わりつく様な濃厚なキスを繰り返す。


「普通に出来ることは
させてやれない…
それでもいいんだな?」


それは、結婚や親なにるということだよね…


「いいよ。
これ以上、何も望んだりしない。
聖斗が居てくれるだけでいい…」


微笑み、頷いた聖斗が
「分かった…なら、どうして欲しい?」
と、私の首筋に熱い息を吹きかける。


「あぁっ…」

「言えよ。何して欲しい?」


そんなの分かってるくせに
イジワルな聖斗。


「キス…
一杯、キスして欲しい…」

「どこに?」


そう言ってる間にも
彼の長い指が
私の体のラインを確かめるように
肌の上を跳ね
その度に小刻みに震えがくる


でも、聖斗は本気じゃない。
ワザと感じる場所を避けてる…


焦らされてると思うと
余計、欲しいの…


4年前に抱かれた記憶が鮮明に蘇り
あの時みたいに愛されたい…
と、無意識に唇が求める言葉を押し出そうとしてる


もどかしい指先に弄ばれ
ずっと眠っていた
私の中の"女"が目を覚まし
欲求が理性を梳かしてしまった様


「全部…体中にキスして…」

「ここも?して欲しい?」

「あっっ…ん。う、うん…」


私の人生も、体も
全てを聖斗にあげる…
だから…


「もっと…キスして…」



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