ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】

だから、つい聞いてしまった…


「伯母さんとは…恋愛結婚?」

「んっ?どうかな…
おじいさんは仕事には厳しい人だったけど
優しい人でね。
私の家庭の事情を知ると
学費の面倒をみてくれて
卒業後はこの薬局で働かないかと言ってくれて…

その内、養子になって
薬局を継いで欲しいって
伯母さんとの結婚を勧められた」

「それって…
おじいさんに無理やり結婚させられたってこと?」


すると伯父さんは首を振り
「そんなことないよ。
伯父さんは伯母さんが好きだったから
喜んで結婚したんだよ」
と、笑った。


"じゃあ、ママは?"
喉元まで出かかった言葉を必死で飲み込む。


伯母さんのことが好きだったのなら
どうしてママと関係を持ったの?
どうしてママが妊娠なんてするの?


どうして…
ママから聖斗を奪うなんて
酷いことをしたの?


なんだかスッキリしない。
納得できないことばかり…





深夜なって、やっと聖斗の部屋に忍び込めた。


「中々、2人っきりになれないよね…」


ベットで抱き合いながら
私がそう言うと


「美羅は一日中、シてほしかったのか?」
と、茶化してくる。


「バカ」

「俺はババァの土産の
う○ぎパイ食ったから
ギンギンだぞ!」

「もぉ~…」

すると
私の頭を撫で、急に立ち上がる聖斗。


「どこ行くの?」

「トイレだよ」


聖斗が部屋を出て行くと
音を消した聖斗の携帯が震えだす。


何気なくそれに目をやると
着信メールと文字が流れた後
『理絵』という名前がディスプレイに現れた。


理絵…
こんな時間にメールしてくる女の人って…
もしかして、聖斗の彼女?


言いようの無い嫌悪感。
この人は、私の知らない
4年間の聖斗を知ってるんだ…


私なんかより
ずっと多く聖斗に抱かれ
愛されてるんだ…


苦しい…












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