ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】

動揺を隠せなかった…
震える手を握りしめる。


「聖斗、やっぱり結婚するんだ…」

「当たり前だろ?
子供が出来たんだ。
責任取るのは当然のことだからな。

でもな…
聖斗のヤツ
ずっと、結婚を拒んでたんだよ。
子供の面倒は見るけど
結婚はしないって

向こうの親は怒鳴りこんで来るし
聖斗は言うこと聞かないし
それで母さん調子悪くなって…」


聖斗が結婚を拒んでたなんて
知らなかった…


てっきり、理絵さんと幸せに過ごしてるんだと思ってた…


「じゃあ、どうして急に結婚が決まったの?」

「それがな、俺にもよく分からないんだよ。
3日前、突然結婚するって言いだして…

それなら聖斗の気が変わらない内にって
大安だった昨日
急きょ結納したんだ」


聖斗…


もしかして、私のこと待っててくれてたの?
うぅん。
そんなはず無い。

そんなはず…無い…よね?


私が家を飛び出した日
聖斗は理絵さんの誘いを
拒否することだって出来たはずなのに
彼女を愛しそうに抱いてた。


お腹の子供のことも心配してたよね。


電話した時も
聖斗は何も言ってくれなかったじゃない


期待なんかしちゃダメだ。


第一、聖斗はもう
理絵さんと、結婚するって決めたんだから…


私は期待を打ち消すのに必死だった。


そうこうしてる間に
車は病院の駐車場に滑り込み
私は慌てて車を降りると
入口に向かって走り出す。


今は聖斗のことより
伯母さんの心配の方が先だ…


優斗と病室に入ると
そこには
京子さんと…


聖斗が居た。












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