ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】
第4章《22歳~結婚》

別々の道


「…ら、み…ら…」

「んっ、何…?」

「起きろ、美羅。
理絵さんが帰って来たみたいだ」

「えっ!」


朝…?


「俺、理絵さんと話してくる。
美羅はここに居ろ。
彼女のことは俺に任せてくれ
いいね?」

「…優斗」

「そんな顔するなって!
取りあえず服着たほうがいいんじゃないか?」


そう言いながら
タオルケットを人差し指で持ち上げ
悪戯っ子の様な顔をして
中を覗き込む。


「ヤダ…優斗」

「そうやって、照れるとこが
また可愛いんだよな」

「もう…
じゃあ、部屋に戻って着替えてくるね」

「あぁ」


チュッと、音を立て
軽いキスを交わすと
優斗は部屋を出て行く。


優斗が居てくれて、良かった…


昨夜、優斗のプロポーズを受け入れ
私たちは
結婚の約束をしたんだ。


そして、当然の様に愛し合い
この先
何があっても2人で生きて行こうと誓った。


終わった後も
離れることが出来なくて
お互いの肌の温もりを感じながら眠ったんだ…


まだ温度を感じるシーツに
優斗の残り香が
優しく漂う。
それを愛しいと思える自分に
安堵してるもう一人の自分が居る。





すぐそこの部屋に行くのに
わざわざ服を着るのが面倒で
ベットの横に、たたんで置いてあった
優斗のパジャマの上着を羽織り


自分の脱ぎ捨てた服を抱えると
私も優斗の部屋を出た。


私の気配を1階に悟られたくなくて
つま先立ちで
静かに廊下を歩き
ゆっくり自分の部屋のドアを開ける。


音がしない様に
そっとドアを閉め
一息つき、振り返った私が見たのは…


「…どうして?
なんで、ここに居るの?」


そこには
床に座り、あのドールハウスを眺めてる
聖斗の姿があった…




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