ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】

…戻って、どうなる?


このまま美羅の元に戻り
俺は何を言うつもりだ?


"愛してる"という言葉か?
それは、間違い無く俺の本心だ。
有りのままの気持ちだ。


でも、それを言った所で
俺は美羅の傍に居てやれるのか?


理絵と結婚した時点で
俺にはもう、美羅を愛する資格なんかない…


その言葉を口にすれば
また美羅を苦しめることになるんじゃねぇのか?


今度は美羅に愛人になれって…?
そんな残酷なこと
言える訳ねぇよな…


理絵との離婚も考えた。
そうしたら、瑠菜はどうなる?
俺には瑠菜を守る責任が有る。


事実じゃなかったが
本当の親が居ない苦しみは
俺自身、一番感じてきたはずだ…


瑠菜には、そんな思いさせられねぇよ…


どうにもならない
雁字搦めになった心が
導き出した結論


俺は、戻らないという選択をした。


兄貴なら
美羅を大切にしてくれる。


俺なんかより
ずっと、美羅を幸せにしてくれるはずだ。


美羅だって、結婚する気になったってことは
兄貴のことを好きなんだろう…


そうだよな…美羅…


必死で自分を納得させようと
歯を食いしばり
膝に拳を振り下ろす。


「幸せに…なれ。美羅…
俺の居ないとこで
幸せに…してもらえ…」


刺す様な冷たい空気のせいなのか…
なんか、泣けてくるよ…
俺って、マジ、情けねぇ男だよな…


好きな女一人
守ってやれねぇなんてな…


情けなくて
涙が止まんねぇよ…


美羅…俺を恨め…
何もしてやれねぇ俺を恨んでくれ
そして
俺のことなんて忘れて
兄貴を愛して、可愛がってもらえ…


いいな、美羅…




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