ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】
聖斗が理絵さんの実家の養子になって
同居だなんて…
それは
言うまでも無く
私たちの終わりを意味している。
そんな大事なこと
私になんの相談もなしに決めるなんて…
酷いよ、聖斗
悔しさと不安で
胸が押し潰されそう
「でもね…」
伯母さんが、何か言いかけた時だった。
理絵さんに抱かれてた瑠菜ちゃんがグズりだす。
あぁ…
きっと眠いんだ…
理絵さんは、それどころじゃないって感じで
のけ反る瑠菜ちゃんを叱りつけた。
「うるさいわね!!
ちょっと静かにしてなさい!!」
こんな小さな瑠菜ちゃんに
今がどんな時なのかなんて
分かるはずもないのに…
可哀想な瑠菜ちゃん…
なんの罪も無い彼女が
大人の勝手な都合で
駆け引きの道具にされてる
私は立ち上がると
理絵さんから瑠菜ちゃんを奪い取った。
「何するの?」
「瑠菜ちゃん眠いんですよ。
私が寝かせます」
理絵さんのお父さんが頷くと
理絵さんも大人しく手を引っ込めた。
「じゃあ、そろそろいいですか?」
雅史さんがアタッシュケースから
少し大きめの2通の封筒を取り出す。
そして
封筒に書かれた名前を確認すると
聖斗と森下さんの前にソレを置いた。
「私もまだ結果は見てません。
まず本人に確認してもらいます」
中々、ソレを手にしようとしない聖斗とは対照的に
森下さんは、すぐさま封を切り
笑顔を見せながら
検査の結果を確認してる。
そこに居た
全ての人の視線が
森下さんに集中した。
…どっちなの?
そして、森下さんの口から出た言葉は…
「…うそ…だろ?」
顔面蒼白になった森下さんの手から
滑る様に離れた紙が
ローテーブルの上に、ハラリと舞い落ちた。
瑠菜ちゃんをあやしながら
覗きこんだソレに書かれていた文字に
私は絶望という名の地獄を見た気分だった…
『生物学上、親子である可能性…
0パーセント』