ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】

「あぁ、ちゃんと覚えるさ」

「夕方の5時だからね!
忘れないでよ」


このイベントを楽しみにしてた美羅

子供たちのハンドベルの演奏と
聖歌隊による合唱…

ハッキリ言って、俺の趣味じゃねぇが
美羅の喜ぶ顔が見たくて
一緒に行くことにした。


「心配すんな!
ちゃんと親父にも、仕事1時間早く帰らせてくれって言ってある」

「あ!そーなんだ…
ごめんね、伯父さん」

「あ…、いや…いいんだよ」


美羅、お前は気づいてないだろうな…
そう言って、小首を傾げ
ニッコリ笑う、その笑顔は反則だ。


ついつい、こっちまで微笑んでしまう。
見ろ!親父のヤツ
嬉しそうに、締りの無い顔してやがる。


…まぁ、親父に関しては
薫叔母さんに似てる美羅が可愛くて仕方ないんだろうが…



すると、俺たちの話しを聞いてたお袋が
食器を下げながら
ポツリと言った。


「あなたたち、明日のクリスマスの夜は
予定入ってない?」

「ん?明日の夜は別になんもねぇけど…
なんかあんのかよ?」

「…あのね、家族揃って夕食でもと思ってね」

「はぁ?
毎晩、皆で食ってるだろ?」


お袋のヤツ
おかしなこと言うよな…


美羅と顔を見合わせ
首をひねっていると


「…優斗と由香さんも呼んで
皆で食事がしたくてね…」

「親父…」


あれ以来、許すと言っておきながら
兄貴と連絡を取ってなかった親父


「どういう心境の変化なんだよ?」

「もうそろそろ、いいだろ…
優斗も大事な息子だからな」


美羅が泣きそうな顔してる。


兄貴のこと、気にしてたからな…

良かったな、美羅
今年のクリスマスは、きっと笑えるな



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