ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】

それを聞いて、私は少し不安になった。


「聖斗は…天使の声、聞こえた?」


聞こえなかったなんて言われたら
ショックだな…
でも、聖斗はそんなキャラじゃないし
またバカにされて、笑われるのが関の山


半分諦めながら聞いたのに…


「聞こえたさ…」

「ホント?どんな声?」


体を起こし、聖斗を見つめる。


「俺が聞いた天使の声は…
美羅、お前の声だ…」

「聖斗…」


優しく微笑んだ聖斗が
そっと私の指をなぞる…
すると、薬指にひんやりとした感触


「これは…」

「美羅の部屋で見つけた。
俺が誕生日にプレゼントした指輪だ…
また、付けてくれるか?」


そう…
これは、聖斗の愛が詰まった
あの"約束の指輪"
必死で探したけど見つからなかったんだ…


「聖斗が持ってたんだね…」

「あぁ…これを見つけた時は
もう二度と、美羅の指にはしてやれないって思ったよ…」

「うん、私も…
またこの指輪が戻ってきてくれるなんて
思ってもみなかった」

「今度こそ
何があっても外すなよ」

「外す訳ない…」


キャンドルの炎が、ステンドグラスに反射して
幾つもの色を落とす光の中で
私たちは、再び唇を重ねる。


甘くて、溶けてしまいそうな
魔法のキス…
私の大好きな、聖斗のキス…


その時、銀色に光る何かが
私たちの視界を掠め
ハラリハラリと、まるでワルツを踊る様に落ちてきた…


握り合った手の上に舞い降りてきたのは
綿毛の付いた小さな羽根…


「こんな所に…羽根なんて…」


どちらともなく見上げた視線の先には
天井一面に描かれた天使の絵が…


「まさか…天使の羽根?」


それは、私たちを見守っていた
天使が落としていったモノ…?


普段なら、考えられないことだけど
今日だから
そう思えた。


だって、今日は特別な日なんだもん
奇跡が起こる日
クリスマス・イヴだから…


『幸せになりなさい…』
そう言ってくれてる様な気がした。
















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