ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】

上杉君の変人話しで
暫し盛り上がり
それが縁で
高校に入って、初めて女の子の友達ができた。


これは上杉君に
感謝するべきなんだろうか…


山本 恵美里 (ヤマモト エミリ)
有田 智可 (アリタ チカ)


この後
私の親友となる
2人との出会いだった。


1人でも平気って思ってたけど
やっぱり、友達ができるって嬉しい。


そして
今日は、もう一つ
嬉しいことが、私を待っていた…




「ただいまー」

「あ、美羅ちゃん、お帰りー」


玄関を上がり
リビングに顔を出すと
そこには、懐かしい人が…


「よう!美羅。
元気にしてたか?」

「…ゆう…と?
ヤダ!優斗、帰ってたの?」

「あぁ、春休みに帰るつもりだったけど
レポートやら、バイトやら
忙しくてな…
美羅の入学祝いもしてやれなくて
ごめんな」

「うぅん。
そんなのいいって」


久しぶりに見る優斗は
すっかり大人の男性って感じ
でも、優しい笑顔は
ちっとも変わってなくて
心が、ほんわか暖かくなる…


「今日は、優斗の好きな
ビーフシチューにするからね!」


伯母さん、嬉しそう…


リビングのソファーに
優斗と2人並んで座り
一方的に喋り捲る
私の他愛もない話しを
微笑み
時折、相づちをうちながら聞いてくれる優斗。


怒りんぼうな聖斗とは
大違い。


「美羅…」

「えっ…」


急に優斗が、私の頭を抱え込むと
耳元で小さく囁く…


「後で、俺の部屋においで…」







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