ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】

頬を伝う涙が
こんなに熱いのは…


なぜ?


「美羅、泣きすぎ…」

「だって、嬉しんだもん」


ポロポロと流れ落ちる涙は
拭っても拭っても溢れ出て
もう、止め方も分からない。


やっと聞けた聖斗の気持ち。
この"好き"という一言を聞くのに
一体、何年待ち続けたんだろう…


私の肩を掴んでいた聖斗の手の力が抜け
背中にまわされると
そのまま
苦しいほど強く抱きしめられた。


「泣き虫は何年経っても変わらねぇな…」

「これはいいんだよ。
嬉涙なんだもん」


広くて、少し硬い聖斗の胸に
顔を埋める。


「俺の心臓の音、聞こえるか?」

「え…うん…」


聖斗の胸に耳を当てると
信じられないくらい
大きくて早い鼓動が
ドクン、ドクンと私の全身にまで
伝わってくる…


「俺、ヤバいんだけど…」


そう言いながら
聖斗は私の体を離すと
顎を掴み
強引に上を向かせる。


「聖斗…」

「美羅…」


聖斗の顔が近々と迫り
私は濡れたまつ毛を気にしながら
そっと、瞳を閉じた…


重なり合った唇は
とても甘くて
とろけてしまいそうなほど
暖かかった。


キスしながら
聖斗は何度も私の名を呼び
更に、燃える様に熱い舌が
私を深く、強引に求めてくる…


長い、長い口づけに
私の意識は飛びそう…


「んっ…うぅ…ん」


夢中で聖斗のパジャマを手繰り寄せ
長年の想いをキスに込める。


待ちくたびれたよ…聖斗…
もう絶対、離れたくないよ…


すると
不意に聖斗は私の体を突き放した。


「聖斗…?」

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