ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】

聖斗の本当の気持ちを聞けたことが嬉しくて
私は大事なことを聞けなかった…


聞けなかったと言うより
聖斗に上手くはぐらかされたって感じ


聖斗がどうして
あれほどまでに
私に本心を言うのを躊躇ったのか…


私を幸せにするのは
なぜ、自分じゃないって思ったのか…


聖斗の言葉の端々に
見え隠れする謎が
小さなトゲみたいに
私の心に刺さって
どこか、スッキリしない。




翌日
目が覚めたのは、お昼過ぎ…


うわっ!!
凄い寝坊だ。


聖斗はもう、大学行ったよね…


一階に下りる前に
智可に電話して
昨夜のことを話すと
まるで自分のことの様に喜んでくれた。


智可には、一杯心配かけちゃったもんね…
携帯越しに
2人でウルウルしてしまった。


一階に行ってみると
伯母さんは買い物にでも出たのか
姿は見えず


私はダイニングテーブルの上に
申し訳なさそうに乗っかってる
ラップのかかったお皿をチンすると
リビングのテーブルで
テレビを見ながら
朝、昼兼用の食事を済ませた。


なんか、体がダルい…
何もしたくない気分…


ソファーに寝っころがると
フッ…と、昨夜のことが頭に浮かぶ


聖斗…


自然に、ニンマリしてる自分が居る。


「キャァ!!恥ずかしい!!」


体がモゾモゾして
近くにあったクッションを抱きしめて
バタバタしたりして…
バカみたい。


聖斗、早く帰って来て。
寂しいよ。


でも、どんな顔して聖斗と話したらいいんだろう…
きっと、私
真っ赤になっちゃうだろうな…


今日から私は
聖斗の彼女なんだよね。
私だけの
聖斗なんだよね…

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