子羊ちゃんと王様
「昨日・・・郁斗くんと公園で別れたあと、家に壱がきたの」
誰もいない教室にヒロの声が響く。
「それで・・・壱は・・・。」
ヒロはまた泣いている。
俺はヒロが泣いているのがものすごく嫌いだ。
世界で一番大嫌いだ。
俺はヒロの笑顔が好きなんだ。
あのヒロの雰囲気が好きなんだ。
なのに、ヒロは泣いている。
それを止められない俺はなんなんだろう。
先に幼なじみの後輩に、
キスされてしまう、俺ってなんなんだろう。
自分のことが嫌になる。
ヒロのことが大好きでしょうがないのに。
涙を止められないのが悔しい。
俺はただ、ヒロを見つめていた。