†Bloody Cross†
「てめぇだって……ッ!!てめぇだって何も知らねぇくせに、勝手な事言ってんじゃねぇよ!!」
自分の掌を見つめながら感傷に浸っていると、永遠が突然立ち上がり声を張り上げた。
その表情はあたしが永遠の一族を侮辱した時よりも、悔しそうに歪んでいて……。
「ごめんなさい……」
「あ……??」
口からは素直な謝罪の言葉が零れた。
まさか謝られるとは思っていなかったのか、再び間の抜けた声を洩らしていた。
「あなた達にだって色々有るはずなのに、勝手な事を言ってしまったわね」
自分の行動に思わず苦笑いが浮かぶ。
柄にも無く感情的になって、八つ当たりのようなことをしてしまった。
あたしもまだまだ駄目ね……。
きっとあたしにヴァンパイアを斬らなくちゃならない理由が有るように、永遠にだって事情が有るはずなのに……。
「でも、忘れないで。あなたの一族は恨みを買いやすいわ。屋敷から出てきた以上、自らの身は護れるようにしておいたほうがいい――――……」