†Bloody Cross†
「な、ッ……」
「あなた達は誰かに護られて生きてきたのにね。どうしてそれが分からないのかしら」
痛みを知らないものは上に立つべきではないのだと、常々思う。
影で誰かが血を流してきたからこそ成り立つ地位に座っているくせに……
自ら進んで醜い争いを起こしては一族の名を汚し……
自らの手を汚すことなく、平然と他者に残酷な命を下しては血を流させる…………
「貴方達は周りの事など考えたことなんてないのでしょう??」
考えたことが無いからこそ、のうのうとそんなことを口に出来るんだ。
無駄にプライドだけは高い、第Ⅰ王族のヴァンパイア達。
「仕事を流れ作業のようにこなしているあなたには、たったひとつの任務に命をかけなくてはならない者達の気持ちは分からないでしょうね」
きっと永遠はその手で誰かを斬ったりしたことは無いのだろう。
見てくれはあたしと何ら変わり無い永遠の手は、血で汚れたことなんてないんだ。
何人もの血で汚れているあたしの存在とは、チガウ――――……