STARヒーロー★



ちらりと視界に入ったもう1人の男。


たぶん…一ノ瀬君。
また興味なさそうにイバラに寄りかかっている。




「他所見をするな!!!」

ガン!!「わ」


あたしは弾かれて一ノ瀬君の前にどしんと尻餅をつく。



「璃子ちゃん、どんなにがんばったって無駄や!!雅ちゃんは俺の妃になるんやからな!!」


もう普通に雅ちゃんって言ってるエロ王子…いや明君。

そう言ったかと思うと、明君は雅ちゃんの頬に突き出した唇を近づけ始めたではないか。


「ぎゃー!!明君駄目だって!!雅ちゃん怒るよ!!殺され…」

はっとして前を見る。


ちょうど剣を振りかぶる中条君。



「きゃー!!!」


死ぬ!!
死ぬって!!それ剣だから!!

頭ぱっくりだからー!!!




目が合った一ノ瀬君。

落ちている本でも見るような瞳。




ああ、きっとこの人はあたしを助けてくれない…。



あたしの悲鳴と同時に、もの凄い音と共に明君が落ちてきた。

上には足を上げた雅ちゃん。
さっきのキャラはどこへいったのか口元には冷たい微笑を浮かべている。


「…ハッ、変態馬鹿が」

ゴミを処分した後のような恍惚感さえ見られる。



ほらね、やっぱり
雅ちゃん怖いんだから…



明君があたしとぶつかったとこで目が覚めた。







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