ダンデライオン~春、キミに恋をする~

ようやくバス停について人が減ったと思ったら、また乗り込んでくる。


「……」

「……」


賑やかな車内。

なぜかあたし達は、無言で。
移り行く景色を眺めていた。

こんなに密着してて、無言なのって変なんじゃないかな?
って言っても、いつもペラペラ喋ってるのはあたしで。

響は『うん』って頷いてくれてるだけで。

意識しまくりなのは、あたしだ……。



いつもとなんにも変わんない響。
これだけくっついてても、見上げた先の響はいたっていつも通り。




あーもう!

……なんか話題!
話すこと!


響のさらに上。
1枚のポスターが目に入った。


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