ダンデライオン~春、キミに恋をする~
目をパチクリさせてるあたしの反応をまるで楽しむみたいに、響はあたしの顔を覗き込む。
キレイな唇がクイッと持ち上がって、ちょっと首を傾げて、眉をあげる。
少年のようなその表情に、胸の中がアツくてブワッと視界が滲む。
「……ほんと?ほんとに響、どこにも行かない?」
「うん」
「ほんとの、本当に?」
「本当だよ。もう絶対離さない」
「ひ、響……」
も、もうダメです……。
全然涙とまんないよぉ
「っはは。ホント椎菜って泣き虫。ね、笑って?
椎菜の笑った顔、春みたいで好きなんだ……」
響はそう言って、今度こそあたしにキスをした。
ちゅって触れるだけの優しいキス。
すぐに離れた唇がもどかしい。
前髪の触れる距離で見つめられ、ボボボって頬が火照って行く。
そんなあたしに、響はさらに頬に瞼に、次々にキスを落とす。
幸せすぎて、死んじゃいそうだよ……。
でも
恋愛ビギナーには刺激強いだってばぁ~!
耳の後ろから頭を抱えられてて、身動き取れなくて。
必死に目を閉じていると、突然キスをやめた響が吹き出した。
「ぶはっ」
「……」
へ?