恋人はトップアイドル
今度は私が押し黙る。

そ、それは・・。

「なんか、当たる気がする。」

『そんな自信なさ気に言うな。』

・・すいません。

『なんだよ、びっくりさせんなよー。てっきりもうアルバイト決まってんのかと思ったじゃねーか。』

「ちょっと!外れる前提で話しないでよ!」

健人の安心した声に、私は反論する。

『あのなぁ。お前、本気でするとか言ってんの?』

健人が呆れ返ったような声で問う。

「当たり前でしょ。やるからには本気よ!」

『じゃあもし仮に当たったとして、生徒会はどうすんだよ。学校との両立は?しかもサバ読んだとかバレたらどーすんの?』

・・・う。
健人の言い分に、うまく返せる言葉が見つからない。

『お前は後先考えなさすぎなんだよ。』

追い撃ちをかけるように、健人はそう言い放った。

「・・でも、当たったら本気で私やりたいの。」

それしか、言えない。我が儘だってわかってるよ。だけど。

「私、高校生活、生徒会のために捧げてきたつもりだよ。やりたいこと我慢して、きっちり学業も校則も守ってきたつもり。」

本当は、やりたいこといっぱいあった。
出来ないのが普通なのかもしれないけど、でも、高校生の内にしか出来ないことっていっぱいあるはず。

大学生になってからやったって意味ないんだよ。今、やらなくちゃ。

「高校生の内に、一つくらいやりたいことやりたいよ。だからもしも、この応募が当たったら、副会長の健人に協力してほしいんだ。」


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