恋人はトップアイドル
てか、社長・・?社長!?

そんなすごい人に逢ってるの、私!!!


「そうか、ご苦労さん。君、そこ座りなさい。」


私が驚いているうちに、社長は女性の隣の椅子を指差して、私に座るように促した。

男性は机を隔てて、私の前に座っている3人の男性たちの隣に腰を下ろした。


「さて、じゃあ始めようか。」

社長は少しだけ座り直すと、威厳のある声で、そう吐き出した。

「まず、君達二人は、今回Rの全国ツアースタッフの募集に応募したね?」


私の隣の人は、受かった人なんだ・・。

薄々感づいてはいたけど、その言葉で確信する。

私は、社長の視線に、頷いて答えた。


「今回、何十万という応募があった。その中から、公平に選んだ結果、君達と、他十名が、今回Rと一緒に仕事ができることになった。」


何十万、想像も出来ないけど、すごい数の応募だったんだろう。その中から選ばれたのが、私と、隣の女性と・・、あと十人だけ・・・。


すごい倍率・・・。


それを聞くとさらに、なぜ自分がここにいるのか、不思議でならなかった。自分がそんな強運を持っているなんて考え難いけれど、今回ばかりは自分の持っている運に感謝する。


「しかし今ここに呼ばれているのは、君達2名だけだ。なぜかわかるか?」


すると突然、社長が質問をしてきた。

なぜか・・・?

わかるわけない。私は首を傾げた。


「君達には、通しスタッフ、をやってもらうからだ。」


通し・・スタッフ・・?

初めて聞く言葉。業界用語か何かなのか・・。


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