恋人はトップアイドル
俺が望んでもいないのに、手に入った衝撃の事実。

まじかよ。
確か募集の条件で高校生は禁止だとなってたはず。
もし本当だとしたら・・、こいつはサバ読んでるってことだ。

ばれたらどーすんだよ、この女。意味わかんねえ。

つか、俺も知りたくもねえのに、知っちまったし。言った方がいいのか?あーでも、言ったら言ったでややこしいだろうな・・・。
面倒くせえのは大嫌いなんだよ。


しかしそんな俺の複雑な胸中など知りもせず、この女はトイレの前でテンション高くくっちゃべってる。

「え?ああ、バイト?うん・・なんか大変そう。でも、楽しいよ。だって聞いてよ!輝が目の前にいるんだよ!?」

・・今度は俺の話かよ。聞きたくもねーな。

「もー、ちょーかっこいいの!さっきね、堂本さんて人に輝に紹介してもらったんだけど、なんだこいつ、みたいな顔してたけど、あたしによろしくって言ってくれたんだよ!すごいでしょ!?」


・・そんな興奮気味で話すことなのか。


「ちょっと健人、同意してよ!全力で同意して!
なんで、さっきからへえーしか言ってないじゃん!トリビアかよ!」

・・うわ、強引グマイウエイてやつはこういう女のこと言うんだな。ぜってーやだ、こんな女。
俺の表情は今、相当げんなりしていることだろう。

「・・え?・・わかってるよ、別にそんな目的でここ来たんじゃないし。」

しかしいきなり沈んだ女の声。本当、よくわかんねえ、女のテンションって。

「だけど、やるって決めたから。輝のこと、ただのファンだけど、でもすきだから。あたしが出来ることするの。」


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