[短編]アスタラビスタ
「今日で学校ともクラスのみんなともお別れだと思うと…」


「寂しいよな」



最後の言葉は涼が言った。
私が涙をこらえてるのを気づいてたから。


涼はそういう人。



「涼」


「なに?ハル」


「キスし…」



“て”は言えなかった。
すでに涼に口をふさがれていたから。



「あと何回キスできるかな」



そう言ってまた、唇が触れた。


涼の声には寂しさが溢れていた。

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