キミと太陽と飛行機雲
「…サボる」

ボソッと呟きを付け加えて準備に慌てて鞄へと目を移動させる途中、ニヤけた友人の顔にぶつかって頬へ熱が集まった。

らしくない。
本当に、らしくない。

こんな乙女っぽさと私は無縁なはずだ。ドキドキとか頬を赤らめるとか、無縁なはずだ。
…いや、無縁でいたかった。何も変わった様子がないキミ相手に、多分私はバカを見るだけだから。
キミの気まぐれに喜ぶなんて間違ってる。
そうわかっているのに、浮き立つ心を抑えられない。冷静な判断力はまだあるのに、感情が従ってくれない。

らしくない。
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