スイッチ
第三章  赤い小箱
私が9才の時、父が家を出て行った。 泣いて追いかける私を、母は背中ごしに怒鳴って止めた。 あの時は、親の勝手で離婚して、名前が変わって、友達にも「どうして?」と聞かれる事が嫌で、母も帰りが遅くなって、哀しくて淋しくて、どうしていいのか分からなかった。
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