舞姫〜MaiHime〜

３，舞隠-Maiin-

『…そう言えば。紅は族とか入ってないの？』
『…え、え？』


ここではあたしが女であることはおろか、族の総長だなんて秘密だ。

隠し通さなければいけない秘密。


『は、入ってねぇよ。』
『嘘-！空輝にあんな事言えるのは族の総長達位だし、総長でも言えないか。しかも、さっき手を握った力ハンパなかったよ？』
『…え。』


あたし、どうする？
「あたし、昔から度胸だけはあって」
「握力だけは強いんだよ」

…そんな言い訳通じるかな？

『俺、握力だけは強いんだよ。』
『そうなんだあ。てっきり族に入ってるのかと思った！それとも、猛火に入る？』
『…い、いや。遠慮するよ。』
『…そう？』