舞姫〜MaiHime〜

4,舞傷‐Maikizu‐


ドコッ


ドカッ




乾いた音が倉庫に響く。

何度も何度も殴り合う。


『関東No.2もこんなもんか』

ゴースト総長,柊(ヒイラギ)はあたしを見ながらいう。 

押されぎみのあたし達。
その言葉に反発出来ないのがまた悔しい。


『まぁ,女は上玉か。』
柊は気持ち悪くニヤつきながらあたしを見つめる。

『俺等取引しね?』
『は?』
『このままだとこのチーム潰れるぞ。それが嫌なら俺の女になれ。』


普通の女だったら,拒否するかもしれない。

だけど,あたしは総長。
何百人ものチームメンバーの命を預かってるも同然。

今のあたしは,自分一人より,このチームと。
チームのメンバーの方が大切だから。
    


『あたしがあんたの女になると言ったら,チームに手を出さないと誓うか?』   

『あぁ,誓うよ。』



『分かった。』



< 72 / 91 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop