片思い?両思い?
「・・・隆平君は考えたんだと思うよ。今まで「好き」と言う気持ちだけで付き合ってきたけど、この先本当に俺が理沙ちゃんを支えていけるのかって・・・しかもあれだけの人数と職業の奴らに囲まれて、こんな人たちの中で自分はやっていけるのかって・・・」
「・・・私、そこまで考えてあげられてない・・・」
「それは当然なんだ。だってまだ高校生だろ?」
「・・・だけど、医者を継ぐって決めたときに・・・ううん。その前に私がそう言う隆平の気持ちを察してあげるべきだったんじゃないかって・・・」
いつも、いつも遅い。
ノブのときもそうだったけど・・・私が彼を追い詰める。
追い詰めてから・・・気がつく・・・そして後悔するの。
もっと、私が思いやっていたらって・・・。
隆平も私から離れていくの?
「まぁ、その気持ちをいち早く察したのは・・・香奈枝だったんだけどな」
「香奈枝さん?」
「ああ、あいつは一般の家の出だからかな。そういう気持ちはすぐにわかってあげられるみたいだ・・・まぁ、すげぇ女だよ、あいつは」
そんなことを言う洸一さんは何故か幸せそうで。
私も隆平にそんな顔、させてあげること出来るようになるのかな。
「隆平君が不安になったときに、理沙ちゃんがそれを取り除いてあげなくちゃいけないけど・・・・できそう?」
「・・・わからないです・・・だけど、隆平とは別れたくないから・・・頑張ってみようとは思います・・・・」
「それを聞いて安心した」
「え?」
「理沙ちゃんが隆平君の手を離せば、それで終わると思うんだ・・・理沙ちゃんが離さないかぎり隆平君はちゃんとついてきてくれるよ」
「・・・はい」
支えよう。
私にどこまで出来るかわからないけど。