片思い?両思い?


「まさか理沙に会えるなんて思わなかったよ」

「本当ね」

ノブに誘われて、駅の近くのベンチに腰をおろして話をしていた。

「俺、あんな別れ方だったから気になってさ・・・」

「・・・ごめん」

今思えば、本当に自分勝手な女だった。

「え?・・・理沙が誤るところじゃないだろ?誤るのは俺だよ・・・ごめん」

「・・・違うの」

「え?」

「私、知ってたよ。ノブが不安だったこと・・・」

試すようなことばかりしてたもんね。

「理沙?」

「私の気持ちがわからなくて、不安だったんでしょ?」

「・・・・まあな。だけど、理沙のこと信じてやれなくて、浮気をしたのは本当だから」

「でも、そうさせてしまった私にも原因が無いとは言えないよ」

「・・・変わったな」

ノブが優しく微笑む。

私、その笑顔好きだったな。

・・・隆平のほうが良いけど。

「俺がヤキモチ焼かせたくて、わざと他の女と仲良くしてたの知ってるか?」

「え?そうなの?ただの女好きかと思ってた・・・」

「・・・ひでぇな」

「ごめん」

「だけど、一回もヤキモチ焼いてくれねーし。付き合ってるのに片思いしてるみたいだった」

「・・・ノブ・・・」

本当にごめん。

「俺、知ってたよ。前の男にお前が言われたこと」

「え?」

「理沙と付き合って、結婚すれば逆玉だ。半分遊んで暮らせる。浮気もばれなきゃし放題だ!って・・・その不安を取り除いてやれるように俺なりに頑張ったつもりだったんだけどな・・・・俺じゃなかったか・・・・」

「え!?」

「理沙が変わったのって・・・今の男だろ?」

「・・・・うん」

「大事にしねぇーと逃げられんぞ?理沙はきついからな」

「もう、逃げられそうだよ・・・」

「はははっ・・・逃げられたらいつでも戻って来いよな」



「悪いが、それは無い」

「「え!?」」






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