片思い?両思い?


「隆平!?」

「はぁ、はぁ・・・お前、俺の携帯に出ないとは良い度胸だな」

息が上がってる・・・走って探してくれてたのかな・・・。

「え!?」

慌てて鞄の中を調べる。

何回も隆平からの着信があった。

「あ・・・・ごめ・・・」

「理沙・・・理沙の彼氏って・・・・今野隆平?」

あ、ノブ。

「うん」

「・・・マジかよ」

「・・・うん」

ノブも知ってるんだ。隆平のこと。

その会話を聞いていた隆平の顔が・・・怖い。

「理沙・・・こいつ誰?」

「え・・・あの・・・」

「俺は菊池 宣行(キクチ ノブユキ)・・・理沙の元彼氏だよ」

隆平の眉がピクッと動く。

「元!彼氏が・・・理沙になんのようだ?」

・・・「元」を強調するのね。

「たまたま、見かけたんで、話をしていただけですよ」

その後、

「・・・理沙のこといらないんだったら、俺がもらいますから」

「ちょ・・・ノブ?」

何言ってんの?

隆平を挑発するのやめたほうがいいと思うけど・・・。

「てめぇ・・・何言ってるかわかってんのか?」

りゅ、隆平?

顔が・・・・怖い。

「・・・うっ・・・」

ちょっとオーラが違うよね?

ノブも後ずさりする。

「・・・そんなに大切な女なら、不安にさせんなよ」

ノブも負けないね。・・・声が小さいけど。

「てめぇに言われなくても解ってるよ」

「・・・どうかな。じゃあ理沙はなんで今の彼氏に、捨てられるかもって思ってんの?」

隆平が大きく目を見開いてから、私をみる。

「・・・・お前には関係ないことだ」

「あ・・・・」

隆平は私の腕を引っ張り、歩き出した。

「仲直りしろよ」

後ろからノブの声がする。

私は小さく手を振った。

チッっと舌打ちする隆平は・・・・・怖かった。










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