片思い?両思い?

早朝



朝6時、私はジャージで家を出る。

毎朝ではないけど、晴れた日は走るのを日課にしていた。

ストレス発散には最適だった。


いつもの道をいつものように走り、私は坂道を上がる。

家から20分くらいのところの坂の上に、公園・・・というより空き地があり、そこでストレッチをして朝の町を見下ろすのが楽しみの一つだった。

深呼吸をしてストレッチを始めたその時、

「あれ?」

誰も来るはずのないこの空き地に誰か来た?

振り返った私はビックリして・・・ストレッチをしたまま固まった。

「ひ、日向先輩?」

「茜ちゃん?」

そこにいたのは、ジャージを着ている日向先輩だった。

・・・なぜ・・・・こんなところにいるの?

「おはよう」

笑顔を見せながらこっちに来る・・・。

ヤバイ・・・朝から心拍数が・・・・半端なく上がる。

絶対噛む・・・。

「お、おはよう、ございます」

噛まないように丁寧に言ったら・・・不自然な挨拶になってしまった・・・。

「プッ・・朝から面白いね」

日向先輩は笑う・・・いえ、大真面目なんですよ?




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