とりかえっこしようよ
手紙と子犬 〜中学生編・side光〜
 私たちのクラスから、いっくんがいなくなって2週間。




 2年生に進級した私は、毎朝ひとりでハリーの散歩を続けていた。


 日の出公園を通るたびに、いっくんのことを思い出して涙が出た。


 ハリーだけが知っている、私といっくんのヒミツの時間。




 寂しいよ、いっくん。


 必ず会いに来るって言ってたけど、まいづるって遠いんだね。


 飛行機に乗らないと会えないよ。



 クラスの人気者だったいっくんがいなくなって、みんなも寂しいって言ってる。



 お別れ会でもみんな泣いてたもんね。


 みんなが泣いてたから、私も安心して泣くことができたんだよ。


 誰からも冷やかされないで、思いっきりいっくんのことを考えて泣けるんだもん。




 学校から帰ってきて、ポストを覗いたら。


 いっくんからの手紙が入ってた!


 嬉しくて、ハリーにすぐ教えた。

「ねえ、ハリー!お父さんから手紙が来たよ!」





< 29 / 200 >

この作品をシェア

pagetop