恋、想い、春の雪

・春の雪を

「ひろ、見て見て」

さやに連れられて出かけた先は裏山の桜並木。

穏やかな風にひらり、舞い落ちる花びらは白と見間違える程に淡いピンク。

まるでふわふわと雪が積もるように地面を覆っていく。

「きーれいー」

くるくると回りながらはしゃいでいたさやは突然しゃがみ込み、春の雪を両手ですくって僕の頭上に降らせた。

「ひろ、志望校合格おめでとう〜」

ついでにわたしもおめでとう〜と笑いながら花びらを浴びるさや。


ひらり、ふわりと。

とける事の無い春の雪のように、さやへの想いは僕の胸の中で静かに降り積もっていた。


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