優魂者


夜が明けようとしていた。
黒い外套はまるで日の光を嫌う吸血鬼のように消え失せた。

そして夜は明けた。二人の死体を遺して。
そしてそれを見付けた新聞配達員が、朝を告げる鶏が逃げだすほどの大声を上げ、それは街に木霊した。

午前5時頃だった。
< 28 / 38 >

この作品をシェア

pagetop