涙の重さ
1
‐通知‐
何もない部屋でひたすら文章と睨めっこ。
肩の凝りも限界に近づいていた。
「だめー、終わらない」
少しずつ肌寒くなり、秋の訪れを世話しなく告げる風が窓の隙間から奈美を包む。
「金沢さん、また中断?」
研究室の奥から声がかかる。
声の主はこの研究室の室長の山本拓真という男。
「山本くん、私には無理よ。これを来週までにまとめるなんて…」
奥からは溜め息と自業自得という言葉が聞こえた。
そうですよ。
自業自得。
今まで資料をまとめなかった私のせいです。
『ヴーヴー、ヴーヴー』
携帯のバイブが着信をしらせ、画面を開くと思いがけない名前が飛び込んできた。
「…誠」
着信が続いても、なかなか取ることが出来ない。
誠、
半年前に別れた人。
何もない部屋でひたすら文章と睨めっこ。
肩の凝りも限界に近づいていた。
「だめー、終わらない」
少しずつ肌寒くなり、秋の訪れを世話しなく告げる風が窓の隙間から奈美を包む。
「金沢さん、また中断?」
研究室の奥から声がかかる。
声の主はこの研究室の室長の山本拓真という男。
「山本くん、私には無理よ。これを来週までにまとめるなんて…」
奥からは溜め息と自業自得という言葉が聞こえた。
そうですよ。
自業自得。
今まで資料をまとめなかった私のせいです。
『ヴーヴー、ヴーヴー』
携帯のバイブが着信をしらせ、画面を開くと思いがけない名前が飛び込んできた。
「…誠」
着信が続いても、なかなか取ることが出来ない。
誠、
半年前に別れた人。