求愛ラバーズ
俺がどんなに好きかわからないだろ?





「ショウはもう………っ。」





まだショウなんて言ってる。





その単語を聞いた途端に細い手首を握る手に力が入る。





「一夜限りでもいいよ。」





目を見開いた葛城さんに大口を叩いてしまう。





一夜限りなんて本当はいいわけないだろ。





「思い出させないようにしてあげる。」





元カレの事なんか消去して、俺を記憶して。





手首に感じる痛みも、耳に入る声も、大きく開かれた目に写る俺の姿も全部全部記憶して。





「葛城さん……今だけ俺を好きになってよ。」


「……っ!」





静まり返る部屋に響く乾いた音。




俺に押し倒された葛城さんはキツく唇を噛み締め、潤んだ目で睨んでくる。





「最っ低……三井さんがそんな人だと思わなかった。」





ジンジンと痛む頬なんか気にしてられない。





ビンタされるなんて思いもしなかった。





「一夜限りって………嘘つきっ。本当に好きでもないのに軽々しく言わないでよ。」





体を押され、呆気なく押し退いてしまう。




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