求愛ラバーズ
俺を拒絶してる姿さえ可愛いと思ってしまう。





ベッドから飛び降り、鞄を拾って葛城さんは出て言ってしまった。




ハッ………最悪だ。





元カレに会うわ、ラブホに連れ込んでしまうわ、押し倒して告白。




ムードもなんもない。





最低呼ばわりされるのも当然。





歳食ってる割りに、心はまだ子供地味てて嘲笑してしまう。





軽蔑されたかもしれない。





きっと明日からはすれ違っても声をかけてくれない。





視線すら合わせてくれなくなるだろう。





前向きな考えなんて浮かびもしない。





今日に限ってなんでこのタイミングで告白したんだと自分を恨む。




嘘なんて――――――…嘘なんてつくはずないだろ?





言葉なんかじゃ言い表せないから体で受け止めて欲しかったんだ。




体でなんて軽いかもしれない。けど、葛城さんだけなんだ。





どうしようもないぐらい好きで、愛しくて心が壊れそうになる。





追いかけるにはもう遅すぎて、葛城さんの匂いが移ったシーツに体を預けるしかなかった。




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