求愛ラバーズ
避けられてる………よな。





俺の目なんか全然見なかったしな……。





今すぐ追いかけたい。





ごめんって謝りたい。





でも、しつこいって言われたら?




「何立ち止まってんだ。」


「あ………戸高さん。」


「あ゙?何も頼んでねぇのか?」


「まぁ…はい。」





手ぶらの俺を見て怪訝そうに顔を歪める戸高さん。





「さっきさ、ありさ見たんだけど…なんかした?」


「いえ…挨拶したぐらいで。」


「ふーん……顔が真っ赤だったからさ。」





変な奴と言って戸高さんは定食を食べ始めた。





俺は食べる気が起きず、缶コーヒーを買って戸高さんの隣に座った。





「あのさ、一ついいか?」


「はい。」


「さっさとありさをモノにしろよ。焦れったいんだよ。」





今すぐモノにしたい。





「好きなら諦めんなよ。」





……………ちょっと待て。





「戸高さん………。」


「あ?」





なんで………なんで……





「俺、葛城さんが好きなんて一言も言ってないですよ?」


「馬鹿か。そんなもん見てればわかるんだよ。」




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