求愛ラバーズ
今更だろと言わんばかりの顔で見てくる。





「ありさが現れるたびにいっつも見惚れてんじゃん。」





うわー………そんなにわかりやすかった?





確かに見惚れてたけどさ。





「好き以外なんでもねぇだろ?」





恥ずかし過ぎて戸高さんが見れない。





テーブルに肘をつき、ため息と共に項垂れてしまった。





「早くどうにかした方がいいぞ。」




俺だってどうにかしたい………けど、避けられてちゃどうにも出来ないだろ。





「手遅れになる前にな。」





意味深な言葉を残し、聞き返す事もままならず先に行くと戸高さんは席を立ってしまった。





手遅れって………そういう話が上がってるとか?





俺以外にも葛城さんに好意を持ってる奴なんて山ほどいるんだ。





その中に葛城さんの好きな人がいるって事なのか?





もう何度ため息をついたかわからない昼過ぎ。





日に日に葛城さんの存在は大きくなって、俺を蝕んでいく。





もう、好きなんてレベルじゃない。





仕事より葛城さんに夢中になってるんだから。




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