求愛ラバーズ
LOVE.8 -真実-
会場を出た俺達はロビーにあるラウンジで話をする事にした。





気まずそうにしてる葛城さんの腕を引っ張り、ソファーに座らせ俺も向かい合うように座った。





「会社もう辞めたんだね。驚いたよ。」


「…………。」


「逃げたの?俺が鬱陶しくなった?」

「違っ……そうじゃないんです。」

「――っ、じゃあ…なんでっ!」





目を伏せ、ゆっくりと口を開いてきた。





「お祖父ちゃん……会長のところに行くから…。」


「会長は海外に住んでるよね?」


「そう、私も暫く海外に行くの。」

「………。」


「私が、葛城じゃないってもう、わかったでしょ?」





俺の目の前にいるのは葛城ありさじゃない――――…天宮ありさだ。





「三井さんが告白してくれて、凄く嬉しい………だって、私も三井さんが好きなの。」


「葛、…天宮さん?」





今さら天宮さんって言いにくいな……。





それがわかったのか、天宮さんはありさでいいと言った。





「家の事を隠して会社に入ったの。天宮のままだったらある事ない事言われそうでしょ?」





ありさの言う事には頷けた。




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