君に染まる(後編)
「何?なんの話?」
携帯をいじる私と楓ちゃんの手元を美紅先輩と卓先輩が覗きこんでくる。
「集まり?同窓会?」
「中3のクラスでって、ちょっと早くない?」
「そうですか?結構頻繁にこういう会開いてますけどね」
「中3の時のクラスすごく仲良かったんです。在学中も卒業してからも集まることが多くて」
「私はバイト、未央は創吾先輩で忙しくて高校入ってからは全然参加できてないですけど」
「か、楓ちゃん」
一言余計だと目で訴える。
確かに高校に入学してからは誘われても1度も行けないままだったけど、全ての先約に創吾先輩が関係しているわけじゃない。
「クラス全員集まるの?男の子も女の子も?」
「全員かどうかは分からないです、みんなも予定があるでしょうし」
「まあでも、卒業してちょうど1年だしほぼ全員集まると思いますよ?男の子も女の子も」
楓ちゃんの言葉に美紅先輩はニヤッと笑った。
「へぇ、男の子もくるんだー…どうするの創吾、未央ちゃんとられちゃうかもよ?」
まるで煽るような口調で創吾先輩の顔を覗き込んでいる。
「1年で未央ちゃん変わったものね。高校生になって彼氏のいる1年を過ごした女の子って年頃の男の子からしたらすごく魅力的に見えるものだし」
首をかしげる私と卓先輩。