ボクがキミのおとうさん。
おじいちゃんとボクは初めて二人きりになってゆっくり話をしたんだ。


おじいちゃんとおばあちゃんの出会いの話……。


お母さんが産まれた時の話し……。


なんか凄く楽しかったよ。


そんな雰囲気にお日様が合わせてくれたみたいに、ゆっくり外が明るくなっていった。


そして部屋の中がどんどん慌ただしくなり、お母さんの苦しそうな声も大きくなってきた。


「そろそろかな……」


おじいちゃんがつぶやいた数分後の、朝7時42分。


大きな泣き声と共にキミは産まれた。元気な男の子だ。


待ち焦がれたよ。ボクの目からは大粒の涙がボロボロとこぼれ落ちた。


でも部屋が開くとボクは涙を拭い、平気な顔をしてキミのお母さんの手を握ったんだ。


ボクが必死に涙を堪えてると、お母さんはこう言った。


「待っててくれてありがとう」


お母さん、いじわるだね。ボクは我慢できなくなって、また大泣きしちゃったんだ。


その後、ボクはその病院で有名になったらしいよ。


"赤ちゃんよりも泣き虫なお父さん"ってね。


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