合縁奇縁~女は欲張りな生き物なのです
あとがき
この作品を最後までお読みくださって、ありがとうございました。

当初は単純なオフィスラブ、揺れ動くアラフォー世代の憂鬱を掘り起こそうと書き始めたこのお話です。

が、主人公裕子さんが、妊娠出産後も仕事を続けていくとういう必然性に迫られ、

裕子さんを信奉する男性達が、社内の人事体制改革に乗り出す社会派物語へと軌道修正することと相成りました。

現実にはきっと有り得ない、むしろファンタジーに近いお話です。

でも、悲観することはありません。

実際、こういう体制で男女共同参画事業を進めている会社もあるんです。

卵が先か、鶏が先か?

男女平等の仕組みが先か、意識が先か?

人間としての能力に、男女の差なんてないことは、もう既に明白です。

性差による長所と短所を補いながら、共に働き、共に生き、共に幸せを追求する。

それが当然の世の中になるよう、未来に期待を込めて、この物語を終えたいと思います。

あ、

そうそう、

勿論、柏木夫妻、舞子は無事男の子を出産し、その子は大樹と名づけられました。

森山夫妻も無事双子を授かり、当然のことながら森山は社内第二号の男性育児休暇取得者となりました。

双子であったため、少し長く三ヶ月の育休をとり、大変な双子育児を共同して乗り切ったことをここにご報告させて頂きます。

白石はその後、工場に経験者枠で中途採用された院卒の美人研究者と、恋に落ち結ばれました。

残念ながら、二人の間にまだ子供はおりません。

裕子の夫木村雅樹は、この後、取締役専務となり、会社の人事体制改革に心血を注いでいます。

その後、この会社がどういう発展を遂げたのかは、みなさんのご想像にお任せしたいと思います。

bikke
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