合縁奇縁~女は欲張りな生き物なのです
朝礼後、そそくさと席にもどって、外回りの準備。

やっぱ、逃げでしょ。

とりあえずは。

でも、たったふた島の開発課。

主任のあたしの席は、課長の島のすぐ隣り、対面。

顔を上げたとたん、視線がぶつかった。

「柏木、ちょっと」

「はい」

ここは会社。上司の命令は絶対で、あたしは平然を装い課長の席へと近づいた。

「何だ、この業務報告書は?」
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