合縁奇縁~女は欲張りな生き物なのです
次の日、会社では白石のそれからどうなった攻撃が待ち受けていた。
「で、あれからどうなったんですか?」
朝の十時から、打ち合わせと称して企画室の打ち合わせルームに陣取った白石が、こちらも樹と同じようにがっつり食いついて離れそうにない。
「どうなったって、話を聞いたよ」
「で?」
「それだけ」
「縒りを戻すとかは?」
「今はない」
「今はって?」
「将来はわからないけど、今はない」
「じゃ、僕はどうなるんですか?」
「君はあたしの後輩」
「それだけですか? 僕は期待しちゃいけませんか?」
「何を?」
「もう、裕子さん! そんな風に焦らすなら、無理やり犯しますよ!」
あたしは慌てて白石の口を押さえた。
何言ってんの? こいつ?
「もう止めてよ。あたしのことは諦めて。多分暫くは誰も愛せない」
「それって、まだ愛してるって、聞こえますけど」
「言葉じゃないの、気持ちなの。つべこべ言わないで、あたしの目の前から消えて。鬱陶しい」
あたしは、クルリと椅子の背を白石に向けた。
「同盟解散は時期尚早だな……」
白石はそう呟くと、企画室を後にした。
ったく、何言ってんだか……
「で、あれからどうなったんですか?」
朝の十時から、打ち合わせと称して企画室の打ち合わせルームに陣取った白石が、こちらも樹と同じようにがっつり食いついて離れそうにない。
「どうなったって、話を聞いたよ」
「で?」
「それだけ」
「縒りを戻すとかは?」
「今はない」
「今はって?」
「将来はわからないけど、今はない」
「じゃ、僕はどうなるんですか?」
「君はあたしの後輩」
「それだけですか? 僕は期待しちゃいけませんか?」
「何を?」
「もう、裕子さん! そんな風に焦らすなら、無理やり犯しますよ!」
あたしは慌てて白石の口を押さえた。
何言ってんの? こいつ?
「もう止めてよ。あたしのことは諦めて。多分暫くは誰も愛せない」
「それって、まだ愛してるって、聞こえますけど」
「言葉じゃないの、気持ちなの。つべこべ言わないで、あたしの目の前から消えて。鬱陶しい」
あたしは、クルリと椅子の背を白石に向けた。
「同盟解散は時期尚早だな……」
白石はそう呟くと、企画室を後にした。
ったく、何言ってんだか……