腐女子とナル男の奮闘記。
「えーなんでだよぅお嬢っ?せっかく僕たちお友達になれたのに~っ!」
「そうだぜ!フレンドになれたんだぜ俺等!」
いや、誰も友達になるとは言ってません。
内心で呟いた声を拾ったように、話しかけた最後の男子が口を開いた。
「優貴、隼人。お嬢は用事があるんだから。わがままいっちゃダメだろう?それにまだお嬢の返事を聞いてないんだから、友達やらなんやらで勝手に盛り上がっちゃ迷惑だ」
ずばりその通りです!という意見の前に。
どこかで聞いたことあるぞ…この声…。
「はっ!!」
思考回路をフル回転させて気付いたあたし。
ちょっと落ち着いた口調。喋り方さえ違うけれど、相手に否応言わせないような…そんな雰囲気を漂わせる。
「と…冬夜様!!!!」
そう、この声は紛れなく秘密の薔薇園の冬夜様の声!VOICE!!
「えっ?お嬢知ってるの?秘密の薔薇園の冬夜」
驚いたようにこちらを見るお方。
「知ってるどころか大ファン、大ファンです!あなた冬夜様の声と同じです!もしかして…冬夜様の声やってますか?!」
すごい勢いで詰め寄り、思わずワイシャツを掴む。