腐女子とナル男の奮闘記。
悩殺スマイルの雅巳さん。
そよそよと吹く風に、綺麗な金髪が揺れる。
まるでアニメのワンシーンだった。
「んー、今日もとてもいい天気だね」
「そうですね、青い空がとても美しいですわ」
こちらも負けじと微笑み返す。それを見た雅巳さんが、楽しそうに笑う。
2人の間には何とも和やかな空気が流れる。
うふふふ……あははは……
「ってちょっと待ったー!
おい雅巳!いつの間にそんな仲良くなってんだよ?抜け駆けか!俺を置いて抜け駆けかよ?!
お嬢も何だよその喋り方?!俺の時みたいに、けなしたりしねぇの?!」
「うるさい黙れ」
とりあえず笑顔をキープしたまま言葉を返す。
「くっ……お、お嬢っ……!!
おい雅巳!!どういうことだ?!一体どんな手口を使ったんだ?!洗脳でもしたのかよ?!」
「あははっ、やだなぁ、お嬢の方から頼んできたんだよ、今の柊みたいにね。まぁ僕も仲良くしたかった、という気持ちがあったことを否定はできないけれど。
でも頼まれても、根本的に違うからなぁ……」
雅巳の言葉によく分からない、という風に柊は眉をひそめる。
「つまり、こういうことだよ」
そういうと項垂れた柊の顎をくいっとつかむと、少し持ち上げた。
驚く柊を見つめて続ける。