わたしと保健室と彼~4つのお題+α
ベッドに座ったままのあたしの顎に触れる先生の指。
重なった視線は目には見えないけれど、質量を含んでいるように感じた。
そこにある重力に引き寄せられるように、また二人の唇が重なる。
「――っ、んんっ…!」
激しい口づけに息が出来なくて、体が自然とベッドへと倒れ込む。
溺れていくみたい――…
頭の片隅でぼんやりとそんな事を思ったのが、最後。
先生があたしの靴を脱がして、ベッド下に投げた音を合図に何も考えられなくなった。
あたしは本当に溺れてしまったんだ。
先生の唇。
指先。
腕。
肩。
胸。
「――冴さん…」
あたしを呼ぶ少し掠れた声。
何もかも。
全部全部、熱くて。
「愛してる――」
言ったのは、あたしだった?
それとも、先生……?