わたしと保健室と彼~4つのお題+α


 なんて全然説得力のない言い訳、先生が聞いてくれるわけない。

 揺れる白いカーテンに、先生のシルエットも揺れている。


「……珠洲白さん」

「は、はいっ」

 怒られる?

 何を言われるんだろう、と構えるあたしに先生が小さく息を飲んだのが音になって届いた。



「貴女にもしもの事があったら…私は悔やんでも悔やみきれません。私のために、病院に行って下さい」


 それは、どういう意味……?
 先生として?それとも―――、


 先生が今どんな顔をしているのか知りたくて。
 あたしは半身を起こして、カーテンに手を掛けた。

 なのにそんな時にまた痛みが襲う、下腹部。


「――っ!」

 思わず手を引き寄せて、ヤバイと思った。
 乗り出した体が、バランスを失う。


「あっ――」

 お腹を抱えたまま、ベッドから落ち掛けたあたしの目の前、カーテンが勢いよく開いた。


「珠洲白さんっ!」


 目を瞑って身構えた体が、温かな衝撃に包まれる。


「……?」


 床ではないそれに恐る恐る目を開けた。

 あたしを支えているのは、白衣に包まれた腕。


「――霧島せんせ…?」


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