運命の恋~先生を抱きしめたい~
先生は父と一緒にこっちに
向かって歩いてきた。


「起きたか?
悪かったね、錬くん。」



「いいえ、俺が呼び出しちゃったから
寒くなかったかい?」



「はい・・・」



「それじゃ・・・・」
先生は父に兄に頭を下げた。



「宿題忘れるな。」


私にはそう言うと
車に乗り込んだ。




そして先生の車は去って行った。



私は車が見えなくなるまで
見送っていた。



耳を澄まして
エンジンの音が聞こえなくなると
急に悲しくなった。



「紅・・・」

兄が私の肩を叩いた。
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